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杉無垢材は香りや手ざわりが良く、わたしたちの暮らしを快適にしてくれる反面、柔らかく強度の出しにくい素材でもあります。家具の強度を高めるためには、接合部などに接着剤を使用することが一般的であり、合理的です。しかし、自然に還ることができるレベルの安全性を追求するためには、化学物質である接着剤の使用を控える必要があります。
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基本構造〜接着材なしのホゾ結合〜
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接着剤を使用しないで強度や耐久性を出すためには様々な工夫が必要になります。自然そのままシリーズの基本構造は木と木を組んだ上で木ねじやボルトで固定するというものです。接合ボルトにワッシャーを付けることでボルトを締め付けた時の素材のめり込みを防いだりしています。廃棄時には木材と金物は総て分別でき、ゴミの発生がなく、再利用しやすい構造でもあります。
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自然そのままシリーズの強度と耐久性を実証するために水平力、垂直力、環境試験を行いました。
試験体のサイズ/巾800o×奥行き520o×高さ700o、天板厚さ35o(学校教室用の机を想定)
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水平力試験
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過酷な条件下で使用される学校教室用家具の求める強度で水平力の荷重試験を行いました。
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[試験内容]
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机を台の上に置き、水平方向に45sの荷重を10秒間加え、この操作を10回繰り返し、力を加えない状態と加えた状態での移動量を測定しました。
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[試験結果]
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移動量の最大値は8.4ミリで、目標値である20ミリ以下をクリアしました。
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わたしたちが机を引きずったり、何かのはずみで強く机にぶつかったりする衝撃力は30s程度と思われます。今回の試験結果から一般家庭の使用はもちろんのこと、業務用や学校教室用の机としても安心してご使用いただける強度があることを確認することができました。
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垂直力試験
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[試験内容]
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天板中央部に約1トンの荷重を10秒加え、その操作を10回繰り返し、天板のたわみ、各接合部や脚の破損状況を見ることにしました。
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[試験結果]
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荷重を加えない状態では、たわみはなくなり、復元していました。また、接合部や脚の破損もありませんでした。
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環境試験
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自然乾燥では人工乾燥のように強制的に極限まで水分を抜くことができません。店舗やオフィスなどでエアコンがフル回転しているような場所での使用では、木が反ったり、表面にヒビがはいったりすることが予測されます。そこで、自然乾燥の木で製作した机を環境試験室に持ち込み、無垢材がどのような状態になるのかを確認するため、環境試験を実施しました。
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[試験内容]
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2台の机を気温40℃、湿度30%に設定した室内に72時間放置。放置後の机の変化を観察後、再度水平力試験で強度を測定しました。
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[試験結果]
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机を揺すってみると、乾燥による木の伸縮で天板と脚を固定する接合ボルトが緩み、グラグラした状態になっていました。緩んだボルトを締め直すとガタツキは止まりました。
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そのまま強度試験室に持ち込み、再度、水平力試験を行い、水平方向に30sの荷重を10秒加え、この操作を10回繰り返しました。力を加えない状態と加えた状態の移動量の最大値は7.8ミリで、目標値である20ミリ以下をクリアしました。
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